自衛隊指揮官 著

自衛隊指揮官 目次


文庫版まえがき


はじめに


第一章 毒ガス防護―地下鉄サリン事件
    自分が実験台になった男
    防衛大学校のころ
    事件前夜
    「あぁ、やられた」
    化学兵器防護のプロ集団
    死のシミ
    サリン散布の現場で
    命を賭けた深呼吸
    サリンと向き合う
    「蛮勇はふるうな」
    ヒーローはいらない
    サリンテロを追体験
    指揮官の沈黙


第二章 海のスクランブル―能登半島沖不審船事件
    海軍の匂い
    大砲が私のほうに向けられた
    史上初の海上警備行動
    幻の船、偽の船
    発動するか、しないか
    防衛庁長官の決断
    ROE(交戦規定)の中身
    武装兵士が待っている!?
    極めて危険な状況に置かれている
    海幕長が腹に決めていたこと
    現場指揮官の無念
    苦悩の謝罪


第三章 亡命機飛来―ミグ25事件
    自衛隊最大危機の日
    事件を知った瞬間
    「驚愕情報」を受け取って
    「国の威信」という魔術
    仮想敵国に備える一方で
    「いったい、何が起きるんですか」
    「自責」という心理
    自衛隊の存在を賭けた作戦
    「出動準備!」のあと
    事件は封印された
    防衛庁の歴史に?


第四章 領空侵犯を犯すな―12・9警告射撃事件
    自衛隊の本質
    「地球を取り巻く蛇」
    戦闘機は私を拒否した
    戦闘機乗りのためにある組織
    大型偵察機が近づいてくる
    絶対譲れない一線
    二〇ミリ機関砲が火を吹いた
    領空侵犯されてしまった……
    静まり返ったコックピット
    「国を背負ってきた」自負心


弟五章 海外派遣の重さ―同時多発テロ
    「終わり」と「始まり」
    軍人には見えないものが見えている
    棺桶と遺体収納袋
    日本人の安全意識のずれ
    弾道ミサイルの脅威
    「使われはじめた十年」
    危機管理をめぐる警察と自衛隊
    自衛隊が持つ力
    「他人のために」が生きている
    「陰の存在」は卒業
    切なる願い
    「戦死」の可能性
    テロと隣りあわせながら
    「想定外」のことを乗り越えて


    「使われはじめた十年」以降の自衛隊関連年表
    参考文献
    あとがき