フセイン殲滅後の戦争 アメリカは北朝鮮、中国、世界をどうするのか 志方俊之著
フセイン殲滅後の戦争 目次
はじめに
知らずにルビコン河を渡った日本
軍事オンチと軍事オタクの跋扈
デジタル化戦場と新しい電撃戦
フセイン殲滅戦争後の世界
◎第一章 「新しい戦争が始まった」
■フセイン殲滅戦争の実相
「衝撃と恐怖」の作戦が始まった
驚異的だった米軍の進撃速度
意表を突かれたイラク軍
天王山はカルバラ地峡の殲滅戦
私の眼前で全滅した戦車大体
三〇%の損害で部隊は壊滅状態になる
多用された精密誘導兵器―灯火管制のない不思議な戦場
開戦直後に潰えていたイラク軍の指揮通信網
特殊部隊が防いだ油井の破壊
■米軍に勝利をもたらした戦力開発
ブッシュ大統領が最初に手がけた通常戦力の近代化
戦力開発に心血を注いだ米軍
米軍の戦力は、どこが変わったのか
市街地戦能力を高めた「ガンダム戦士」の登場
静かな必殺爆撃、戦略爆撃機の上空待機(CAP)
結実した陸軍変革構想(Army Transformation)
戦場監視能力のデジタル化と新しい電撃戦の作戦教義
■これからがブッシュ政権の正念場だ
三つの戦い
ブッシュ大統領に残された真の戦い
イラクから北朝鮮へ
◎第二章 国益のみで動いた国際社会
■避けられなかったフセイン殲滅戦争
「敵の敵」を支援したアメリカ
崩れ去った抑止理論
■ブッシュ・ドクトリンの真意
「単独でも攻撃」と宣言
テロを抑え込む五つの行動
自国の安全は「人任せ」にしない
戦争で失うものと戦争をせずに失うもの
どうしても回避したかった「第四のシナリオ」
■反対した国々の思惑
選挙と絡んでいたドイツの反対
この戦争の敗者はフランス
クルド人問題で非協力に転じたトルコ
国際世論に乗ったロシア
下手なことにはかかわりたくなかった中国
事実上の最後通牒
◎第三章 機能不全に陥った国際連合
■限界を見せた国連中心主義
米国への支援国は世界で六十六ヶ国―国連加盟国の三四・六%
日本はいまだに「敵国」のまま
唯一の国連軍は朝鮮戦争だけ
世界を覆い始めた国連に対する無力感―求められる新しい国際機構
米国は国連より有志連合を選んだ
◎第四章 中東民主化プロジェクト
■イラクから民主化の波は中東全域に波及する
米国は自らが中東の"くさび"になる決心をした
米国のイラク新政府構想
イラクに「民主主義のDNA」は織り込めるのか
中東の民主化で米国のトラウマが消える
対イラク政策に温度差のある米露仏独英
イラクの安定で最も得をする日本
◎第五章 高まる北朝鮮の脅威
■次は「金正日殲滅戦争」か
イラクとは違う北朝鮮
朝鮮半島統一に対する各国の思惑
北朝鮮の核の脅威
米国の対北朝鮮戦略を読む
うねりに乗り遅れた北朝鮮
北朝鮮の対韓戦略
北朝鮮の対日戦略
北朝鮮の対米戦略
考えておくべき三つのシナリオ
想定できる北朝鮮の軍事行動
北朝鮮軍と米韓軍の圧倒的な能力差
人民軍が取らざるを得ない軍事行動
アメリカにとっての北朝鮮問題
◎第六章 中国を睨んだ米国の大戦略
■「新しい戦争」と対峙せざるを得ない米国
二十一世紀は絶望の世紀か
見えない敵との戦い
狂気にどう対応すればよいのか
二十一世紀大戦略を実行に移し出したアメリカ
二つと同じ戦争はない
米国に残された選択肢―テロ国家への先制攻撃
■米国の最終戦略目標は中国だ
国益を最優先するブッシュの世界戦略
大きくはブレない米国の大戦略
弾道ミサイル防衛を巡る米中関係
対等になりたい中国とそれを阻止する米国
◎第七章 日本の進むべき道
■フセイン殲滅戦争に日本はどう対応したか
対案のない反対は政治ではない
政府の説明責任は不十分で遅すぎた
国連を採るか日米安保を採るか
国連改革、今が千載一遇のチャンスだ
「戦争反対」のデモはあっても、「戦争賛成」のデモはない
■あるべき安全保障の姿
「リスクの分担には応じません」
日本はいくら負担するのか
政治の責任を放棄してはいけない
北朝鮮追随者は間抜けではなく犯罪者だ
北朝鮮問題を矮小化するマスメディア
北朝鮮問題に対する四つの対応
遅れてしまったミサイル防衛体制の整備
わが国はテロの標的になるか
「日本は未開な先進国」
未整備な大量難民への対応策
安全保障の構造改革を
四タイプの戦争とそれらの共通点
日本の安全保障の変なルール
エネルギーと食料の安定的な確保
「取り扱い説明書」がない軍事力
武力攻撃事態等対処法の成立―一刻も早く基本法を
改革すべき「構造」がない
あとがき