世界を読み解く鍵 現代の軍事学入門 志方俊之著
現代の軍事学入門 目次
まえがき
第一章 戦場の実相と軍隊の自己完結性
―カンボジアでの疑似体験
1 誰も知らない戦場の実相
破壊されているライフライン/まずは先遣隊を送る/どうしても不足する輸送力/全てのインフラが破壊されている/何事も段取りが大切
2 戦うことは補給すること
色即是空ならぬ士気即是喰―決定的な要素は水と食糧/贅沢とは言えないしっかりとした生活の基盤
3 なぜ自衛隊でなければならないのか(絶対に必要な自己完結性)
4 戦場に似ている大規模災害の現場(阪神・淡路大震災の場合)
第二章 軍隊に関する基本常識
1 基本常識その一―軍隊には階級がある
将校・下士官・兵=なぜ三区分なのか/将校の中核は中佐と大尉/将軍は天に輝く星
2 基本常識その二―軍隊は集団である
集団を作ること=戦力の構成/人と装備を組み合わせること=部隊の編成 3 基本常識その三―軍隊はリーダーで決まる
統率者と管理者/滅私奉公と活私奉公/統率者と中間管理者/新時代の統率者は新人類
第三章 軍隊は技術集団である
1 技術は戦略を変える
使わないために造った兵器/作らないのに役に立った兵器/どうするわが国のミサイル防衛
2 技術は情報を集めるー偵察衛星と地域紛争
偵察衛星が帰趨を決めた地域紛争/偵察衛星が調停した地域紛争/偵察衛星が抑止する地域紛争
3 技術は資源を節約する
金に糸目をつけなかった兵器開発/オフ・ザ・シェルフの兵器開発
第四章 情報戦争の時代
1 国家のもつ第四の力
2 情報は意思決定のためにある
情報の目的は何か/情報にはどんな種類があるか
3 情報は使われなければならない
4 これからの情報活動で大切なこと
5 情報大国への道
第五章 陸・海・空軍の戦略と戦術
1 湾岸戦争に看る現代の戦争
2 陸・海・空軍、何が基本的に違うか
3 陸軍=国家の意思を示す最終な力
組み合わせが重要な陸軍の装備/重大な決心を伴う陸軍の投入
4 海軍=親善訪問から強襲上陸まで幅広い任務
一隻の艦艇にまとめられた多用な海軍の装備/二十一世紀の海軍戦略=フロム・ザ・シー戦略
5 空軍=桁違いの機動力と破壊力
優勝劣敗の空軍の装備/迅速に城代名戦力を投入できる空軍
第六章 宣戦布告のないこれからの戦争
1 戦争といっても色々ある
戦争の三つのタイプとは/戦争とはどんな状態のとき起こったか/危機管理の三段階と国力の三要素とは
2 世界の紛争地図
いま進行中の地域紛争/これから起きる地域紛争とは/地域紛争は何故大きな脅威なのか
第七章 軍事力をどう評価するか
―中国の軍事力を読む
1 軍事力を比較するときの要素
誰でも思いつく要素(ハードウェア)/忘れがちな要素(ソフトウェア)
2 軍事力を比較する時の三つの時計
3 軍事力を比較するときの座標軸の原点
4 中国は軍事大国になるか
異色な中国の軍事力/アジアで唯一の核戦力/世界最大の通常戦力
第八章 考えたくないことを考える
―火を吹くか朝鮮半島
1 どこがどう違う有事と事態
日本有事とは何だ/禅問答のような周辺事態
2 どうなるか朝鮮半島
安全保障は賭けではない/朝鮮半島は米中間の戦略調整の最前線/起こって欲しくないケース=武力衝突
3 北朝鮮が軍事行動を起こせば
どんな目的の軍事行動があるか/軍事行動に共通なこと
4 北朝鮮の軍事力をどう見るか
陸軍/海軍と空軍
5 北朝鮮に何ができるか
北朝鮮の限界は何か/考えられる南進作戦の戦術/どんな戦闘様相になるだろうか/軍事行動の結末は
第九章 台湾海峡は火を吹くか
1 アジアのどこが危ないか
何故いまアジア太平洋地域なのか/冷戦後の欧州と東アジア、どこが違うか
2 残されたもう一つの冷戦構造=台湾海峡
台湾海峡での武力衝突はわが国の周辺事態か/米中間のシグナル交換/台湾海峡の軍事力バランス/中国は台湾を武力で統一するか/そのとき日本はどうする
3 これからの米中関係はどうなる
米国の対中国政策は三本柱/わが国の対応の基本
4 みんなで渡れば怖くない=多国間の集団安全保障
冷戦時代の地域的な多国間の枠組み/冷戦後に加速した地域的な多国間の枠組み/タイムレースのASEAN地域フォーラム
第十章 日本は何に備えたらよいのか
1 わが国を取り巻く不安定要素
東南アジア地域に出てきた不安定要素/いま朝鮮半島にある不安定要素/中国の行く手にある不安定要素
2 わが国が為すべきことは
参考資料
あとがき