日本人は戦争ができるか "戦略的思考"のない国への警告 松村劭著

日本人は戦争ができるか 目次


はじめに

一章 「戦争」を受け付けない、日本人の精神構造
 日本という国に決定的に欠けている、この考え方
  「戦争」という言葉に思考停止する日本人
  日本人は、戦争に負ける本当の恐ろしさを知らない
  戦いの歴史から見た、賢い指揮官、愚かな指揮官
  天と地ほど違う戦争に対するアメリカの考え方、日本の考え方
  日本が「NO!」と言えるためには、何が必要か?
 なぜ、感情的に「戦争」を否定してはならないか
  許される戦争、許されない戦争―「戦争」には二種類ある!
  「自衛のための必要最小限度の軍事力」って、いったい何?
  「現状を維持されると困る国々」―だからヒットラーフセインは動いた!
  「抑止戦略」が成功するとき、しないとき
  なぜ、日本は「有事のための防衛力」を計画していないのか?
  もし今、武力攻撃を受けたら、日本は戦えるか?
 日本は強い国? 弱い国?―8つの判断基準
  安全保障力は"鎖の環"にたとえられる!
   ・戦略的地勢―世界地図の中で読む、日本の強みと弱み
   ・人口―戦闘動員人口の少ない偏った人口構成
   ・産業・経済力(国家兵站力)―いざ戦争になったら、"息切れ"する!
   ・国民の性質―安定を好む「農耕民族的気質」
   ・国民の規律・団結・士気・教育訓練―「自分の国」意識の不足
   ・政権の統治力―"決断力"に欠けるリーダー層
   ・外交力―資金力と技術に頼る"経済外交"
   ・軍事力―有事を想定しない「戦えない自衛隊
  「攻撃」と「防御」―健全な軍隊が持つ二つの力
  防衛の原則は、「目には目を、歯に歯を」
   売られた喧嘩(戦争)を勝っても、誰も非難しない!
   「軍事力」は「外交」を有利に運ぶ担保である
   「集団的自衛権」の行使なしに、日本の防衛は成り立たない!


二章 「日本を狙う国」に対して「NO」が言えない!
  なぜ、国家には「軍事力」が必要なのか?
   軍人の目、外交官の目―世界の"つきあい"を動かす二つの価値観
   百名の戦闘員が何人の兵士を殺傷できるか―"戦闘能力"のはかり方
   「核兵器」を使う戦争は、百パーセントあり得ないと言える理由
   「核」を持たずに、核の使用を抑止する方法がある!
  パックス・アメリカーナ―これが、「世界の国の序列」
   アメリカによる"ローマ帝国流世界運営法"
   他国の喧嘩(紛争)に巻き込まれた場合、どう対応する?
  今、戦場ではどんな戦いが行われている?
   情報の力―「殺されるかもしれない」という恐怖心だけでは、相手は降伏しない
   戦いの様相を劇的に変えた、四つの新兵器
   「兵器の進歩」に「戦術の開発」がついていかない自衛隊
   「大量破壊戦略」がはやらなくなった背景
   「手を汚さずに国の中枢にダメージを与える」新・戦術ドクトリン
  隣人の"腕力"と"戦略"を徹底解体!
   大帝国・アメリカ―「関与と拡大」の外交、「封じ込めと先制」の軍事戦略
   北方の白熊・ロシア―「約二万発の核戦力」に依存する、対外戦略
   紅旗王朝・中国―核ミサイルの照準は、日本とインドにある!?
   不認可の国・台湾―中国の"五年先"を行く近代的装備の軍を保持
   もし台湾が独立を宣言したら、何が起こる?
   金王国・北朝鮮―"軍事独裁国家"という世界の地雷
   ひまわりの国・韓国―"強国"へ顔を向ける、生き残り戦略
   北朝鮮が戦争を起こす、三つのシナリオ
   北朝鮮が日本に破壊活動を仕掛けてくるとしたら


三章 有事のシナリオ―アメリカは日本を守らない!
  "軍隊と呼べない軍隊"自衛隊の致命的欠陥
   戦後復興―"ひ弱な日本"をつくる、アメリカの戦略
   「反共防壁」―"米軍補助部隊"としての再軍備スタート
   朝鮮戦争にてこずったアメリカが下した、ある決断
   なぜ、日本人は「国防」を放棄してしまったのか?
   アメリカが、安保条約の"軍事的結合"への発展を急ぎはじめた理由
   日本の持ち場、アメリカの持ち場―日米安保条約の有事対応シナリオ
   今ある軍事力では、「玉砕作戦」しか立てられない!
   アメリカの"懐事情"に合わせた経済政策のツケ
   「第二次世界大戦」のトラウマは、アメリカにもある!
  アメリカとの"かけひき"を有利に運ぶために
   曖昧な義務、具体的な権利―安保条約のレトリック
   「国益に結びつく相手の行動を引き出す」―これが外交の基本
   たった一人の指揮官の存在が、国のゆくえを左右することもある!


四章 「歴史の中の戦争」から、学ぶべきこと
  「戦争」をタブーにしてしまった日本の失敗
   「人間は戦争をするものである」という、歴史の教訓
   "非武装の金持ち"を見る、世界の目
   なぜ、「日本を悪者にする論理」に反論しない?
  日本人が「戦争」を考えるときの、間違った思考プロセス
   必要以上に"中国の顔色"を窺う、日米それぞれの理由
   道路・ホテルにも有事対応の"仕掛け"をする、世界の国防常識
   「平時」を基準に防衛力整備を考えるのは、なぜおかしいか
  「シビリアン・コントロール文民統制)」の建前と本音
   軍人と政治家は、「戦う腕前」を売買する契約関係
   戦える「意思決定システム」を持たない、日本の自衛隊組織図
  「有事論議」を避ける人たちの、明らかな矛盾点
   自衛隊は「戦争の抑止力」になり得るか?
   もし"開戦奇襲"を受けた場合、一般国民はどう行動すればいい?
   暴漢にナイフを突き刺されてから、喧嘩を始めても遅い!
   「防衛問題」に手をつけたがらない、政治家の言い分
   他国の"内紛"に、どんな態度を示していくか?


五章 「戦争できる能力」―今、この国に一番必要なものとは?
  「できれば現状を少しだけ改善したい」日本の本音
   戦争に勝つためには、ここまで戦わなければならない!
   どうすれば"核戦力の重圧"から解放された外交を実現できるか
  戦後の日本人がなくしてしまった"あるもの"
   国を守れる人、国を破滅させる人
  「ガラスの城・日本」を守りきるための戦略・戦術
   有事・平時・危機―軍事戦略を考えるときの、三つの切り口
   「大陸国家」と「島国国家」では、国防の考え方は異なる!
   「防御の方法がない」という前提から、どう戦略を立てていくか?
   海・空・陸―戦いを有利にすすめていくための作戦計画
  防衛を考える時に必要な、「勝利」というモノサシ
   優れた国家軍事力が持つ"二つの顔"
   なぜ、自衛隊は「海兵隊」を持たない?
   戦争する国にとって、「意味ある勝利」「価値ある勝利」とは?
  「自衛隊」に日本を守る力はあるのか?
   「防衛問題」について議論する能力が育たない、日本のシステム
   自衛隊の「エンジニアリング」は吉と出るか、凶と出るか?
   海の戦い―日本の"島々"を、どう守る?
   空の戦い―イギリスの三倍以上の戦力を持ちながら、なぜヒットラーは敗北した?
   訓練不足のジレンマ―これでは、近代戦に対応できない!
   防衛庁自衛官―「政治指揮権」と「軍事指揮権」を、どこで分けるか?
   今の「防衛庁」に足りないもの、余分なもの
  "闇の中"にある、日本の兵器事情
   国産兵器の開発は、どのように行われているのか?
   研究開発は"二十年後の防衛作戦"を想定して行われている!
   「どんな戦い方を得意技にするか」―アメリカ式装備開発に学ぶべきこと
   なぜ、「多機能装備」の平気は評価が低いのか?
   "戦場のアイデア"が反映されない、開発・受注システム
   "技術の高さ"と"使い勝手のよさ"は比例しない!
   "実戦的テストの機会"を持たない新兵器
   兵器開発、これからの課題


エピローグ―日本人は、なぜ戦争ができないのか?
  有事になったとき、日本人はどこまで「平常心」を保てるか?
  「私」の価値観、「公」の価値観―今、問いかけたいこと


おわりに