平和のための戦争学 松村劭著

平和のための戦争学 目次

はしがき


第一章 二つの立場
     「戦争反対!」という立場
     テレビキャスターの欺瞞
     「金持ちが無防備でいるなら、武装した野党の餌食」
     平和主義という立場
     戦争と平和は、国家の盛衰を支配する、"永遠の掟"がもたらす


第二章 必要な戦争と不要な戦争
     「国内戦」ほど憎しみの激しい残虐な戦争はない
     非人道的な「内政不干渉」
     経済援助は戦争を抑止しない
     戦争の損害と経済封鎖の損害
     経済封鎖は被害を拡大するだけ
     非戦闘員を犠牲にすることは徹底的に糾弾されるべき
     原因による戦争の種類
     二一世紀における主要な戦争とは
     侵略・侵攻の定義
     台湾海峡の台風
     台湾の軍事力とその戦い
     台湾の国連脱退
     台湾こそ海洋戦略上の要地だ


第三章 瀬戸際政策
     現状維持派と現状打破派
     戦争と平和に関して無力だった国連体制
     「国連第一主義の限界」
     戦略としての瀬戸際政策
     瀬戸際政策の理由
     ヒットラーへの宥和政策の失敗
     瀬戸際政策には強硬政策


第四章 国防のための戦争
     大陸国家の国防線
     島国の国防線
     国土を戦場とする「有事法制」では意味がない
     主権を守るための外交に譲歩はありえない
     拉致被害者の救出は、戦争をも覚悟せねばならないほどの大問題
     無策の他力本願を退けよ


第五章 平和のための戦略
     主張の勝利で「和」をつくる
     艦長を選ぶ民主主義
     なぜ国際問題を政争の具にしてはならないか
     すべての決断は四分の一の情報入手で行え!
     丘の向こう側
     戦争を抑止するように整備されていない自衛隊
     日米安保条約の米側の本音
     緊張を操作する
     制海権を握れ!
     大陸に強国をつくるな
     英国の勢力均衡政策
     海洋国家は大陸に陸軍を大量投入してはいけない
     「牽制艦隊」という激烈な戦略思想
     先制攻撃はフェアプレーだ
     間接近接戦略
     ウサギとカメの関係をいかに見切るか
     戦争を理性で制御する


第六章 戦えない防衛力
     戦略な国防の基本方針
     国家の有事防衛計画がない
     脅威は敵意
     戦闘ドクトリンの欠落
     不整合の陸海空自衛隊
     損害を補えない


第七章 国際平和維持活動
     かくも見事に戦略のない国・日本
     まず関与の戦略を確立せよ
     「大人の国」としてのあり方
     汗と血を流すことで国際政治における発言力を高める
     ジンギス・カーンの教訓
     PKO作戦


第八章 社会科学としての戦争
     歴史は戦争史が骨幹
     神々の戦争観
     哲学者たちの戦争論
     倫理・法理の戦争ルール論
     軍事専門家たちの戦争論
     社会学としての戦争
     法律的平和主義の欠点
     戦争制御の経験則へ
     「総力戦」理論の亡霊


第九章 戦争はなぜ起こるのか
     戦争に赴くものの心境
     人間は道徳的には進歩しない
     人の心が生み出す「ゲリラ戦」
     憎悪と欲望は戦争の卵
     戦争の原因は何か
     臆病者が何もしないでいると安逸と喜びをすぐに失う
     誤解は解けない
     二枚舌とダブルスタンダード
     世界の武力紛争地図


第十章 戦いを忘れた日本人
     戦争嫌悪の原因
     国民の深層心理とずれてしまった自衛隊
     思考停止を招く憲法
     戦争批判の基礎はあくまで「戦いの原則」
     教訓に学ばない日本人
     奪われてしまった学びの機会
     軍国主義復活は口実だ


終 章 戦後からの脱却
     父からの手紙
     日本の伝統としての「道の文化」
     精神の復興
     「公の価値」という美徳
     栄光、栄達、栄華、それとも?
     強いことは良いことだ
     防衛力の鍵となる手段・方法


おわりに