軍事革命(RMA) が戦争を変える 中村好寿著
軍事革命(RMA) 目次
はじめに
序 章 情報化社会の特質とその軍事的意義
1 情報の軍事的意義
情報化社会の特質 情報と火力・機動力 敵の脆弱で「要」となる地点を発見できる 「精確」情報が戦闘力を倍化させる 洗浄を広域化できる 迅速な軍隊の運用を可能にする 情報が打撃兵器となる
2 情報の政治的役割とその軍事的影響
個人の政治的力と情報 情報化社会における人命の尊重 殺傷・破壊の極小化
第1章 軍事革命(RMA)とは何か
1 戦闘力の「倍化」をもたらす「軍事技術革命(MTR)」
MTRと湾岸戦争 C3I兵器システム 精密誘導兵器システム
2 戦いの形態を変化させる「軍事革命(RMA)」
「軍事技術革命(MTR)」批判 兵器主導の「軍事革命」 軍隊運用法主導の「軍事革命」 社会の生産様式の変化がもたらす「軍事革命」
第2章 「消耗戦」から「麻痺戦」へ
1 変わる戦争の目標
国家機能の麻痺 戦争目標としての軍隊の意義
2 工業化時代の戦い:「消耗戦」
物的な力の重視 敵主力部隊との戦い 火力の重視と地形・地域の占領 工業化時代の戦例と「消耗戦」
3 情報化時代の戦い:「麻痺戦」
無形の力の重視 脆弱な「要」となる地点に対する打撃 どのようなターゲットが「要」となりうるか 「要」となる地点の把握は可能か 指揮・統制機能の無能化による「麻痺戦」
第3章 情報戦と指揮・統制機能の無能化
1 攻撃的情報戦とサイバー攻撃
攻撃的情報戦とは何か サイバー攻撃の特色
2 戦略サイバー攻撃
戦略サイバー攻撃の狙い 戦略サイバー攻撃の攻撃要領
3 戦場におけるサイバー攻撃戦
司令部組織への攻撃 防空組織への攻撃 長距離打撃兵器組織への攻撃
第4章 「集中打撃」から「同時打撃」へ
1 多目標同時打撃
多目標同時打撃とは何か 「精確」な攻撃 前線と後方の同時打撃 戦場の立体化
2 連続同時打撃
連続同時打撃とは何か IDAサイクルと「発見即射撃」体制 IDAサイクルの高速回転化競争 面次元から時間次元の戦いへ
第5章 攻撃と防御、どちらが有利か
1 工業化時代の攻撃と防御
ナポレオン戦争:攻撃の優位 普墺・普仏戦争:防御優位 第一次世界大戦前期:連発銃、塹壕、鉄条網の威力 第一次世界大戦末期:毒ガスと戦車の登場 第二次世界大戦:攻撃優位の復活 ベトナム戦争後:長距離精密誘導兵器の出現
2 「麻痺戦」と攻撃・防御
前線思想の終焉 攻撃部隊のスピード
第6章 情報型「軍事革命」と日本の防衛戦略
1 侵略のシナリオ
戦略サイバー攻撃の準備 戦略サイバー攻撃の開始 情報支配と航空優勢の確立 RMA軍の地上侵攻
2 RMA軍の脅威の特性
戦略的奇襲はありうるか 着上陸地域は特定できるか 反撃するチャンスはあるか 司令部はその機能を発揮できるか 持久は可能か
第7章 米国のRMA軍に挑戦する軍隊
1 地域大国の脅威
朝鮮戦争、インドシナ戦争、コソボ戦争の教訓 非対称戦の特色
2 RMA軍は非対称戦をどう戦うか
火力打撃による「消耗戦」への復帰 「同時打撃」による敵の「封じ込め」
3 RMA軍は都市戦をどう戦うか
市街地戦の回避 「間接アプローチ」戦法
おわりに
主要参考文献