名将たちの戦争学 松村劭著

名将たちの戦争学 目次


はじめに
    原則をあざ笑う者は失敗する/ほこりをかぶっても輝きの消えない戦訓


第1章 戦争はなぜ起きるのか
    戦争の原因/戦争が避けられないケースとは/軍事的弱体化が戦争の原因に/人類は戦争をやめられなかった/平和を望むなら、戦争を理解せよ/戦争における摩擦/チーム・ワークと日本的「和」は違う/戦争における霧と偶然/名将は偶然を有利に利用する/戦術理論と戦闘ドクトリン/戦争は変化する/軍事分野の革命/IT革命と戦闘ドクトリン/戦国時代の日本に駅馬車があったら/日本の軍事革命は明治から/国内戦と対外戦/戦争は政治の破断である/危機の折り返し点/経済力と戦争


第2章 勝敗の判定
    国力の八要素/軍事力の要素/火力は「宣伝力」、機動力は「営業力」/新兵器の開発だけでは戦闘力は向上しない/戦闘力はエネルギー/勝敗の判定/戦略爆撃論の呪縛/「電撃戦」の落とし穴/敵軍撃破こそが真の目標


第3章 戦いの原則
    目標の確立と追求/兵士の皆殺しが目的ではない/攻勢の獲得と維持/機動の発揮/拙い作戦も迅速であれば成功する/奇襲の敢行/戦いには一度だけ奇襲の好機がある/戦機にかける集中/兵力を温存するし期間は必ず敗北する/戦闘力の節約/「攻めの警戒」を/指揮の統一/単純にして明快


第4章 戦略の極意
    戦場の実相を知る/戦わずして勝つ/南北戦争と総力戦/主敵はだれか?/ヒットラーは主敵を間違えた/分断して撃破せよ!/松下、ソニーと各個撃破の原則/「孫子」の神髄・迂直の計/四六時中、「有事即応体制」に置くな/戦略は安全に、戦術は放胆に/「関節近接せ戦略論」の八原則/知恵の戦いが先行する/敵の立場で考えることはできない/情報活動の四段階/四分の三は霧の中/これはITでも克服できない/先入観の奴隷になるな/ガダルカナルと事実誤認/失敗を率直に打ち明けた師団長


第5章 戦術の極意
    得意技を持て/日本ではなじまなかっ戦闘陣形の概念/法を破って戦争に勝った英国の提督たち/敵の攻めにくいところを不備にせよ/弱点を狙え/先手必勝の「三つの先」/敵の愛するものを叩け/利をもって誘う/アテネ艦隊と「背水の陣」/防御の本質は攻撃を受け流すこと/名将たちの強烈な攻撃精神/攻撃転移/名将たちの思考法/ナポレオンも戦争計画は慎重だった/会社、軍隊の三つの神経/禅の哲学者、鈴木大拙


第6章 教育と訓練
    勝つための四つの要素/決定的意味を持つのは兵士の能力/基礎体力と基礎精神力/高橋尚子小出監督本田宗一郎と技術者たち/「キレる」と「スランプ」/人づくりは芸術/小さな幸せを求める人材は育てるな/良い師を選べ


第7章 指導者・将校・兵士
    指導者の資格/指揮官には強い個性が必要/大胆な将軍は幸運をつかむ/リスク最少は破滅への道/敗者に逃げ道をあけよ/どれだけの損害で攻撃失敗と判定するか/第二次世界大戦中東戦争のデータ/敵の指揮官にいかに敗北を認めさせるか/優れた下士官を見つけるのは難しい/将校と兵士/戦局眼は天賦の才


第8章 作戦・命令・戦闘
    計画と命令/1H5Wを明確に/テンポとタイミング/祖国を守ったスイス兵の死闘/日本は「びんのフタ」に甘んじるな/栄光に死す/強い軍隊は大義名分を持つ


おわりに
    国家はなぜ軍事力を持つか/強いことは良いことだ


本書に登場する名将たち